今日はね、階段を上がってミミちゃんがやってきたんだぞ
と、自慢するママに
え?うちに外階段なんてあった?
と状況が飲み込めないパパ。
そうだよね。
突然作っちゃったから。
パパに相談もなく。
「だって相談したって手伝ってくれるわけでもないんだから
事後報告があるだけいいじゃない」
ってママは言うけど
パパもそんなに気にしない。
へぇ、作ったんだ、くらいの感想だし。
どうやったの?
大変だった?
とかそういう心配もしない。
ママもママだしパパもパパだな、って思う。
まぁ二人はそれで上手く行ってるんだから
面白いよね、って思っていたところだった。
窓に猫影が映る。
暑かったので窓を開けていたから尚更そのまま、見えた。
ぼくが、あ、と声を漏らすと
パパもママも振り返った。
しまちゃん!
パパもママもぼくも声が重なる。
しまちゃんはこっそり見ていたのを見つかって
少しひるんだ。
あ、あの
ご、ごちそうさまでした!
と叫んで走り去った。