作戦成功 その1

黒い影が窓の外に映る。

ママとぼくは顔を見合わせ
来た!
と息を飲んだ。

すごい!ママ!
窓のところまで上がって来れるようにしたの?!

ママは得意げな顔をして
「はっはっは。そうよ。
 そこの窓からご飯も出せるし
 便利仕様なんだから」
と言いながら、そっとレースのカーテンと
窓を開ける。

「ミミちゃん!」

ぼくとママは声を合わせて
彼女の名前を呼んだ。

こんにちは~
なんかいつもご飯頂いちゃって~
ごちそうさまです~
ここ、いいですね。
なんか安全な感じがします~

ミミちゃんは、階段の一番上の段でクルクル回っている。

ミ、ミミちゃん!

ぼくは思い切って声をかけた。

あの、階段を上がるのは大変じゃなかったですか?

ママは、くすくす、と笑いながらぼくの後ろに下がった。

えー?
全然大丈夫ですよー。
塀ぐらいよじ登れますし
階段になっててありがたいくらい。

そう言うとミミちゃんは軽やかに階段を降りた。

ね?

って下からぼくを見上げる。

かわいい~

ぼくの胸は、きゅん、と音を立てる。

じゃ、またおじゃましまーす

と言って来た道を戻っていく。

「ふむふむ。
 庭まで来ないでここでやりとりできると
 誰からも見られなくて
 ベストベスト。
 ミミちゃんは呑み込みが早いなぁ」

あれなら一緒に暮らせるかな?

とママはきょろっと瞳を動かす。

はぁ~
ミミちゃんと一緒に暮らしたら
ぼく、息ができないかもしれないよぉ


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