トラさんと普通に話ができて
ホッとしているんだけど
また話ができない時も来るのかなって思うと
寂しい気もする。
「いいじゃない。マダラでも。
ボーっとしてるトラさんもトラさんだし
話ができるトラさんもトラさんだし。
どっちもトラさんなんだから」
ママはテーブルの下を覗き込んで
ぼくの様子を見ている。
そうだけど。
忘れられちゃうのは寂しいじゃない。
ぼくは口を尖らせた。
「それはなーちゃんの気持ちの問題であって
トラさんには関係ないのよ。
嫌いで忘れているんじゃないんだから。
ボーっとしてたら、初めまして、って言えばいいじゃない。
何度でも出会えるって面白いよ」
ふむ。
一理ある。
ぼくはやってみようと思う。