何もかも突然には生まれない

「緑アップのお陰かコロナのお陰か
 2025年を思い描いて今どうするかを考える、なんてやってみたら
 色々はっきりして来た」

ママが未来の話をしている。
2025年なんて遠い話で、ぼくには丸で想像がつかない。
どう思い描いたの?
車が空を飛んでる?

ママは、うーん、と首を傾げてぼくをツンツンと突っつく。

「それはもしかしたら誰かが思い描いているかもね。
 もしそうなったら、その人は10年前から思い描いていたって事だよ。
 何もかも突然生まれるなんてないし。
 でもさ、スタートは『こうなったらおもしろいな』から始まるんだね」

おもしろい?
そんな個人的な感想?
ぼくは意外だった。
世のため人のため、みたいな壮大な話だと思っていたのに。

「結果としてそうなったら、なお良いけど。
 犠牲的精神みたいなやり方は続かないからね。
 なんてったって長いんだから。
 良い事を言ったつもりって、言ってみたいけど続かないし」

オレは良い事なんて言ってみたくもない、とパパが横から割り込んできた。
ぼくの目ヤニを取りたいみたい。
もう、強引なんだよなぁ。

もうちょっと優しく、とママに注意されている。

「良い事、なんて漠然としてるし
 人によって何が良い事なのかも変わるから
 別に良い事なんて言わなくて良いと思うよ」

もう、強すぎるって、とまだパパは注意されてる。

パパは強引にぼくの目ヤニを取った。
それがパパのやりたい事だとしても
ぼくにとっては嫌なことで
でもやられちゃったからには我慢しなきゃいけない。

「ほら、なーちゃんが嫌な顔してるよ。
 こうしてパパちんは嫌われていく。
 相手に我慢を強いて自分のやりたいことをやるんじゃなくて
 まずは相談しなよ。目ヤニ取っていいですか?って」

そうかそうか、とパパは言うと
なーちゃん、目ヤニ取っていいですか?とぼくに聞いた。

ふむ。丁寧に扱われた気がする。
どうぞ、とぼくも顔を差し出す。

いつもであれば、ぼくが噛みついておしまいなんだけど
今日はそうはならなかった。
それはパパがぼくを丁寧に扱ってくれたからだ。
丁寧にされればこっちだって丁寧に返す。

「そうしていくと5年後には信頼関係が生まれているんじゃない?
 何もかも突然には生まれない、ってやつだ」

と言うと、ママはまたぼくのおでこを突っついた。


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