人にやさしく

「怒る準備をして怒ったけども
 怒るとはエネルギーを使うわね」

コタツをめくってママがぼくに話し始める。
コタツの中に隠れたってわざわざ探して話をするんだから
ぼくも中々大変。

でも見つかったからにはしょうがない。
今日は緑アップの会議があったはずだ。
土木事務所との話し合いは上手く行ったけど
今度は実地の設計を詰めてたんだっけ。

ここでよければ聞くけど。
ぼくは一応譲歩する。

「設計担当者があちこち兼務で忙しいのもわかってるんだけど
 1ヶ月も黙って待ってたのに
 イメージパースもないし
 自分で増やしたフラワーポイントのことは頭にないし
 ほんとに4か所の設計図しか考えてこなかったんだよね。
 手を入れる箇所は13個もあるのに。
 薄々そうかとは思っていたけど
 ほんとにそうでちょっとキレてみました」

ママは、ははは、と力なく笑っている。

えぇぇ。ママ、怒ったの?
ぼくはパパがママに怒られているところを思い出した。
それは、かなり、怖い。
無言になり、荷物をまとめだしたのを見たことがある。

「やぁね。他所の人にそれはやらないわよ。
 怒鳴ったりもしないし。
 議事録をちゃんと取ってあるから
 この日にこうあなたが言いましたよ、って突き付けたの。
 面白くない場所は自分の担当じゃない、って思ってたみたいだから
 コーディネーターさん達の口を借りて
 『ここは地域緑化活動ではなく工事個所ですね』って満場一致をとって。
 可哀そうだけどしょうがない。
 設計担当者にはお金の入る仕事だから。
 ちゃんと向き合ってもらわないと」

あたしには何も入りませんけどね、ってママはぼくをワシワシ撫でる。

ふうん。あっちでもこっちでもお尻叩いて歩いてるのか。
パパやぼくだけじゃなく。

「コンペして依頼先を決めるべきだったんだけどね。
 それをしなかった理由をわかって欲しいんだ。
 さて、今週1週間でどう変わるか。
 来週は環境創造局との詰めだから
 ここで賭けにでるわよ」

ふん、とママは鼻息を強く吐いた。

市民として。グイグイ関わって行く。
それはもう、面白いからとかそういうものを越えて
魂の声みたいだ、とぼくは思った。

最近よく朝ママが聞いている昔のロックバンドの歌詞を思い出す。
その歌は、やさしくするとは何か、を歌っていたと思う。

怒るとは、応援なのかもしれない。
ママはよく「整体師は応援するのが仕事なのよ」と言っていた。


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