二度手間

今日は二人して出かけて
そして浮かない顔をして帰ってきた。

ガサガサと小分けになったビニール袋から
何かを取り出している。

月末だし年末だし
また買い出しだな、と思ってぼくは見ていた。

「いやはや、なんだか愕然とする」
と言うと、ママはコタツに入っきた。
パパは今日の夕飯の準備をしている。
これじゃ、大したもの作れない、と肩を落としている。

仕方なくぼくもコタツ布団の上に移動。
だって、中は足だらけになっちゃうから。

「年末の買い出しだ!って楽しみに行ったのに」
ママは、くすん、とコタツ布団に顔をうずめる。

どうしたの?

「いくらの山盛り、とか
 海宝漬ごっことか、やりたかったのに」

ママ、わかるように話してよ。
ぼくは心配になった。
いつも買い出しの後は
「はっはっは!これで今月も生きていける!」
って喜んで帰って来るのに。

「だって、商店街って用が足せないのよ。
 八百屋、魚屋、肉屋、漬物屋って分かれてて
 それもスーパーで買うより全然高くて
 あちこちで支払いになるから
 予算オーバーになっちゃうし」

細かい買い物ができなかった、と言って肩を落とす。

「やっぱりもう、暮らし方が違うんだ。
 商店街で買い物するって
 旅行に行ってお土産物屋さん巡る感覚だもの。
 滅多に来ないから買っちゃおう、みたいな」

でも、面白かったんでしょ?

そうでもない、とママは口を尖らせる。

「それにさ、高齢化の波を感じちゃって。
 売ってる人も元気なところは若い人がやってるんだけど
 魚屋さんくらい。
 あとは暗いと言うか、感じが悪い。
 そして通りに活気がない。
 お客さんもいないのよ。
 もっとゴミゴミしてるかと思ってたの。
 生鮮食品の商店街の苦しさを実感しちゃった」

はぁ、とため息をつく。
普段使いしない人間がこんなこと言うのも何だけど、と呟いた。

ぼくのチャオチュールは?
と見上げると、
それもない!と叫ぶ。

うーん、それは重要な問題。
もう一回、スーパーに行ってきてよ、と言うと
この年末の時間の無い時に!
とママは天を仰いだ。


猫との暮らしランキング

関連記事

  1. ママの作戦

  2. ジャックからの相談

  3. 本人がそう言うのなら

  4. 自治会とは

  5. お誕生日とは

  6. まずは防御から

最近の投稿

アーカイブ

LINEスタンプ販売中!


LINEスタンプ(リンク)


LINEスタンプ(リンク)