「あれ~?
なーちゃん、どこだ~?」
パパがぼくを探している。
ぼくは隠れているつもりもなかったけど
探されるって、楽しい。
ここ、ここ。
ってぼくはレースのカーテンと窓の間で
もぞもぞ動く。
ぼくはね、ぼくにしかできない日向ぼっこをしてみてる。
しまちゃんは土の上で気持ちよさそうにしてたけど
ぼくはこの窓とカーテンの間って、けっこう好き。
なーちゃーん
なーちゃーん
ぼくを呼ぶ声が遠くなって行く。
あれ?
ぼくは顔を出した。
もうパパの姿はない。
パパは探しているようで
探していないんだよな。
呼んだら来て欲しい人だし。
しょうがない、行ってやるか。
ぼくはお気に入りの場所から飛び降り
パパの後を追った。