こんにちは~
ミミでーす
このご飯、頂いていいんですか~?
ママの作戦通り、ミミちゃんがやってきた。
「どうぞどうぞ。
ところでさ、この辺にアライグマ、いる?」
単刀直入にママはミミちゃんに訊ねた。
ええ?
アライグマ?
あぁ、でっかいの、いますよ~
白黒パンダちゃんと同じくらいの。
もう、嫌ですよね~、でっかいのたち。
ミミの肩身が狭くなりますよ。
でもミミはまだいい方ですけど
しまちゃんがやばいですよね~
男同士って手加減ないですからね~
ミミちゃんはむしゃむしゃご飯を食べながら
世間話のように言った。
「やっぱり、オス猫か。
まずいな~
白黒パンダちゃんとやりあう分には
互角かもしれないけど
しまちゃんはな~」
ママは、うーん、と眉間に皺を寄せる。
お隣の物置に登れるくらい、アライグマちゃんは大きい。
さらに言うと、お隣のおばぁちゃんは猫が嫌いなのに
いっぱい猫除けしてあるのに
堂々とおばぁちゃんからも見える場所で
日向ぼっこをしていた。
その度胸からして、強い。
ちょっとやそっと、水をかけられたり
大きな音を出されたりしても
ビクともしない感がある。
ぼくもしまちゃんが心配になった。
そんな中で生きているの?
ぼくはママを見上げる。
ママも、はぁ、とため息をついた。