ぼくは窓辺のテーブルに居たんだけど
笑い声をあげないようにするのに苦労したよ。
ジャックがものすごくキョロキョロして
辺りをうかがっていたんだ。
ぼくも見つからないように、そっと息をひそめる。
ジャックはジャックで
けっこう気を使ってると思うんだよね。
できればトラさんと揉めたくない、って思ってるし。
でも会えば口論になっちゃうし。
親子喧嘩みたいなんだよね。
嫌いじゃないけど、顔を見れば文句を言う。
もう少し、時間が経ったら
関係も変わるのかもしれない。
それはジャックが大人になるって事なのかも。
そんなことを思いながら
ジャックがこっそり階段を上がって来るのを見ていた。