こんにちは~
こんにちは~
ミミでーす ♪
おかえり~、とママを出迎えているところだった。
ミミちゃんも一緒にやってきた。
「今、坂の途中で会ったのよ」
ってママはミミちゃんに、
どうぞー
あがってー
と言った。
ママは自転車で通勤しているんだけど
帰り道は上り坂なので
押して歩かなきゃならない。
そこでバッタリ、ミミちゃんと会ったらしい。
ミミ、玄関からお邪魔するの、初めてです~♪
面白い~
キンコーン、なんちゃって~
あら?このシートは?
ミミちゃんは玄関に張り付けられた
ぼくのおしっこシートを見つけた。
いや、その、あの
とぼくはしどろもどろになる。
「なーちゃんがねー
いっつも夜中にそこでするのよ。
困ってるの。ミミちゃんからも言ってやって」
ママはニヤリと口を持ち上げる。
あら。なーちゃんたら。
おトイレ、あるんでしょ?
あたしだって土の上ではするけど
こんな硬い石の上ですることはないなぁ
だって身体についちゃうじゃない
ぼくは、ドキンとした。
う、うん。そうなんだけど
習慣というか、あの
ミミちゃんは薄ら笑いを浮かべる。
ふぅーん
ママさんに甘えちゃって。
ほんとはトイレでできるのに
そういうことするんだぁ
へぇ~
ぼくはモジモジと床を踏みしめる。
甘えているわけじゃ、ないんだけど
ミミちゃんはクスリと笑うと
ママさーん、玄関になーちゃんのバリアが張ってあるので
あたし、お庭から伺いま~す
カリカリ、おねがいしまーす
とママに告げて、玄関から消えた。