ぼくがひっそりとママの布団に入っていると
しばらくして、パパが上がってきた。
「ちーちゃん見てるから、ママちゃん今日はコタツで寝るって。
なーちゃんも弟ができて嬉しい?」
パパがぼくの頭を撫でる。
弟か妹か、それすらよくわかんないんだけど
弟ってことにしようか、うんうん。
と、パパはご機嫌だ。
ぼくは、小さくため息をついた。
ママは上がってこないらしい。
いつもはぼくと一緒に寝るのに。
ぼくは、小さく毛布を踏みしめる。
パパのいびきが大きくなったころ、
そっと布団を抜け出して階段を下りた。
リビングは小さな電気がついていて
みーみー
とか細い声が聞こえる。
「はいはい、ミルクですか」
ママは立ち上がり、また哺乳瓶を熱湯消毒し、
人肌のミルクを作っている。
ママ
小さく声をかけると
あれ、なーちゃん、起きたの?
とママはほほ笑んだ。
「いやはや、おしっこもうんちも自分でできないって大変ね。
なーちゃんはこの辺クリアしてからうちに来たからなぁ。
ごめんね、ちょっとしばらく手が離せないけど
なーちゃんのことが嫌いで、構えないんじゃないから。
待っててよ、この子の目が開くまで」
ぼくはいつまで待てばいいのか、途方に暮れた。