どたどたどたどた
なーちゃん!なーちゃん!
ん!ママの声がする。
お帰り~!
ぼくは急いで階段を降りた。
「わーん、なーちゃん久しぶり~!」
ママがぼくを抱きしめる。
ぼくはただそれだけでこの4日間の寂しさが吹き飛んだ。
あのね、ぼくもパパもちゃんと暮らしてたんだよ。
ってよくわからない自慢をした。
「ありがとう。元気でいてくれて。
パパちんもゴミ出しやってくれたんでしょ?」
と言って周りを見回したママは、ぎゃ、と声を出した。
えぇと、ゴミ箱のゴミは捨てていたんだけど
花瓶の水は代えていなくて。
「そこまで求めるのは贅沢ですね。
旅に出たのは自分です。
文句は言いません」
うんうん、とママはうなずく。
ねぇ、ちび子も行ってた?
ママに聞いてみる。
うん、とうなずくママを見てぼくはブスっとした。
「まぁ怒らないで。
なーちゃんとも写真撮ろう」
って言うとママはぼくをベッドに連れて行き
シャッターを切った。