「多少太っていても、食べることが出来なくなる日も来るわけだから
食べられるうちはお腹いっぱい食べなよ、とは
思っていたけど
急激に太ったからバランスがついて行かないようだが」
ママがぼくを覗き込む。
ぼくはよろけて転んでから
今度はベッドの隅間に落ちて
出られなくなった。
それも横向きに倒れて落ちた。
さすがにちょっと凹む。
「凹むどころじゃなかったじゃない。
夜中にギャーって怒って」
ママは、困ったもんだ、と腕を組む。
だって驚いたんだもん。
ひとりで抜け出せなかったし。
猫としてあるまじきことだ。
「ご飯をいつでも山盛りに置いておくのは止めます。
小分けにちょっとづつ食べる作戦ね。
食べないと出ない大腸だから
様子見ながら頑張りましょう」
って事になったんだけど
お陰様で今日はウンチが出なかった。
それも困る。
「適量って難しいよね。
お爺ちゃんに運動を強いる訳にもいかないし」
でもちょっとずつできることからやってみよう
ってママは作戦を立ててた。