「あら。なーちゃん、パーできるのね」
ママがぼくの手を見てそう言った。
ぼくの手は脚でもある。
でも一応こっちは手。
寝ながら伸びをすると開くんだ。
ストレッチと言われそうだけど、そんなつもりもなく
勝手に開く。
「意図的にやらないで開くのが一番良いのよ。
意図的にやった時だけ開くんじゃ
咄嗟の対応に間に合わないからね。
なんだかんだ良い身体してるよね」
と、ぼくの背中をママは撫でた。
そう?
ゴロゴロしてるだけだけど。
「ゴロゴロしてても良い身体なんて
誰もが羨むわよ。
まぁ、ゴロゴロしてるだけじゃないからね。
伸びもして、バランスも良くて
クヨクヨしないで
よく眠る。
あたしも見習おう」
ママはぼくの横でゴロリとなった。
パパはいつもゴロリとしてるけど。
どうぞ。まねしてよ。