「なーちゃん、最近そこ
お気に入りね」
ママもぼくに習って横になる。
うん。
特にこの黒いやつが、良いんだよね。
ぼくはゴムでできたそれを引き寄せる。
「それはドアのストッパーなんですけど。
ぜんぜん役に立っていませんが」
ママはちょいちょいとそれを突っつく。
そうでもないよ。
ほら、枕にもなるし。
歯も磨けるし。
抱き枕にもなるし。
なんなの、その顔は
と言ってママは笑う。
「なーちゃんはなんでも工夫して使って
えらい!とほめてあげるべきでしょうか」
と言って天井を見上げる。
褒めてもらえると嬉しいです!と
ぼくはママをチラ見した。