くんくんくん。
何やら見知らぬ物がコタツの上に上がっている。
なんだろう。
生きているのか死んでいるのかもわからない。
どれどれ。
押してみよう。
ぼくはゴリゴリと頭をこすりつけた。
「おいおいおい。
だめだめだめ。
倒れちゃうよ」
ママが洗濯物を抱えて二階から降りて来た。
「ほら、昨日、パパ忘年会だったじゃない。
テーブルに乗っていたやつ貰ってきてくれたんだって」
へぇ。
忘年会?
もうそんな時期?
1年は早くて、コタツも仕舞われちゃったと思ったら
もう出てて、世の中では年末がちかいらしい。
ぼくにはあまり関係ないんだけど。
「今年の冬は暖かいものね。
12月って感じがしないのは
あたしも思う。
でもお外のニャンコたちは
今年は楽だな~、って喜んでるんじゃない?」
ママは、つぃっと窓の外を見やった。
いいお天気、って目を細める。
そうだ、クリスマスのチキン、みんなで食べよう。
今年は家族が多いから大変だわ
ってママはウキウキしだした。