キャッチボールにならなくて

クリスマスの翌朝、ママは早めに家を出た。
それは河岸通りのプランターのゴールドクレストにやっちゃった
クリスマスの装飾を片付けるためだったんだって。

お陰でウチの燃やすごみを出し忘れた、なんて言ってる。
あらら。

ママのお店は商店街にあるから
次のお正月の装飾が始まる。
門松が立つのにクリスマスツリーもいるのは避けたかったみたい。

季節感って、お店が作るんだね。

「ほんと、そう思うよ。
 森の中に居れば木々たちが色づいたり花が咲いたりするけど
 それを疑似的にやってるようなもんだね。
 手動でやんなきゃいけないし」

でさ、とママは話しを進める。

「キラキラモールを外して袋に詰めてたら
 『そういうの取っちゃいかんと思う!』
 って怒って言ってきた女の人がいたの。
 あたしがクリスマスの装飾を盗んでると思ったみたいで。
 『取ってるんじゃないの!片付けてるの!付けた人です!』
 って言い返したら
 急にオドオドして消えて行ったんだよね。
 せっかく注意したのに
 でも間違えちゃったんなら
 ごめんね、手伝うわ、とか言えば
 友達になったかもしれないのに」

打ち返したら終わってしまった、とママは眉を下げる。

残念だったね。
キャッチボールにならなくて。

「注意するまえに確かめて欲しかったなぁ。
 何してるの?って。
 ファーストコンタクトの方法は大事だな」

うむうむ、なんて感心してたけど
次のゴミの日で燃えるごみの収集は最後だから気を付けてね、と
ぼくは伝えて置いた。


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