ウェディング!ウェディング!ウェディング!

「なーちゃん、一緒に乾杯してよ」

ママは冷蔵庫からビールを取り出す。
そして、ぼくの前に1本の瓶を置いた。

なにこれ。

にゃんこサイダーと書かれている。

「マタタビ入りらしいよ」

ママは軽くふたをひねり、
香りを外に流した。
シュワシュワという音と共に甘い香りが漂う。

くんくん。
なんと。
興味深い。

「なんだかよくわからないけど、
 この5日の間にウェディングに3つ関わるというミラクルが起きました。
 バタバタしてて、ごめんね。
 やっと全部終わったから」

ママはウィンクしながらビールに口を付けた。
ママはいつもグラスに注がず
缶のまま飲む。
そのほうが、美味しい、とか言って。

「従弟の結婚式は、まぁ前から分かっていたことだけど」

「お客さんが息子の結婚式前日に両足攣っちゃって
 付き添いで親族席に入っちゃったり」

「お店の向かいの河にウエディングボートが来るから橋の飾りつけをしたり」

「怒涛のウエディングラッシュでした。
 でもおめでたいことに関われるって良いよね」

ふぃー
と、ビール臭い息を吐き出す。

そうだったのか。
なんだかママが珍しくお化粧して
ちゃんとした格好でお出かけしてると思ったら。

「ほんと。基本、Tシャツとジーンズだから
 こういうの慣れてなくて。
 ダメよね、いい大人なのに。
 ちゃんとするようにしようかな~」

まぁ、いいんじゃない?たまにでも。

ぼくはマタタビの香りにうっとりとしながら答える。

「なーちゃんは、あたしに甘いわね。
 でも今日は甘えちゃお~」

ママはぼくの頭におでこをくっつけて
ぐりぐりと横に振った。


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