ん?なに?
ママがコタツをめくってぼくを見ている。
「いやいや。なーちゃんは元気かな、と思って」
うん。ありがとう。元気。
「それはそれは。
なーちゃん、うちに来て4年以上経ってるんだけど
一回も具合悪そうなの見たことな、と思って。
これまでお腹痛いとか頭痛いとか、なかったの?」
まぁ、無くもなかったけど。
そんな時は大人しく寝てたよ。
「やっぱりそうか。
でもそれしかないもんね。
痛い、苦しい、は本人しかわからないし。
ご飯だけしか気を付けてあげられないから
その調子で頑張ってくれたまえ」
ママはお尻を突っつく。
ぼくは身体の向きを変えて、ママの顔を見た。
寒いからコタツからは出ない。
ママはぼくみたいにやり過ごしてるのは知ってるけど
パパは大騒ぎするね。
「そうそう。
もう、死んじゃう
って騒ぐのよね。
騒げる時点で、死なないと思う。
大丈夫~?
って言って冷えピタ張ってあげれば終わるから良いんだけど」
昨日の夜もね。
「ね」
ママはそのままコタツにもぐりこんだ。
ぼくはママの足に顎を乗せる。