ニワトリちゃんが白ちゃんになって
そして特に文句も愚痴もこぼさず
それはそれとして受け止めている姿に
感動はしたんだけど
だからと言ってぼくもそうできるかと言うと
それはまた別の問題で。
パパちょっとちょっと
「あれ?なーちゃんがオレを呼ぶなんて
めずらしいね。
どうしたの」
ぼくは帰ってきたばかりのパパをコタツに呼んでいる。
あのね、よしよし、して欲しいの
「いいよ~
オレもなーちゃんよしよししたい~」
パパはニコニコしながらやって来る。
だって、料理中のママを呼んでも
ダメダメ、って断られるし。
「どれどれ?頭見せてごらん」
ぼくは素直にパパの膝に乗って
頭を差し出す。
「うんうん。良くなってる。
ちょっと毛も生えて来たし。
シマシマじゃなくなっちゃうのかと思ったけど
シマシマに生えてくるんだね」
パパは感心してぼくの産毛を優しくなでた。
そうそう。
それそれ。
グイグイじゃなくて
そっと撫でられたい。
パパはテレビを見ながら
あぁ、なんか幸せな感じ、なーちゃんが来てくれるなんて
時々怪我しなよ
って言ってくる。
ぼくもちょっとそう思う。