ぼくを毛むくじゃら蔵と呼んだ金魚

翌日、パパは庭に穴を掘って、でっかちゃんを埋めた。
かぶせた土の上に、白い石を一つ置いて。
ちーちゃんのお墓とは離して
ちょうど対角線になる場所に。

「お庭がお墓だらけになっちゃう」
ってママは悲しそうに笑った。

でもみんな居るならいいか、って
ため息ともつかない息を吐いて
ポツリと言う。

「それでもまだ生きている者は、生きていかなきゃいけないし」
って言いながら水槽の掃除を始めた。

ニワトリちゃんと鯉ちゃんは黙って、ママにされるがまま従った。

でっかちゃんの姿は消えて
でっかちゃんの暮らしてた水も入れ替わって
まるで居なかったかのようになっていく。

だけど、ぼくは覚えていようと思う。
ぼくを、毛むくじゃら蔵、って呼ぶ金魚が居たことを。

「なんだか、なーちゃんは頼もしくなったね」

ってパパとママはほほ笑みあった。


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