ぼくは自分でできないことが多いなぁ。
怠けものなのかな。
うーん。
「なにうなってるの?
オレ、尻尾いじいじしてないよ」
パパが困った顔でぼくの顔を覗く。
なーちゃんが唸るとママちゃんが飛んでくるんだよ。
またパパちん、なーちゃんいじめてる、って。
オレ、今何もしてないんだから
パパは両手を挙げた。
冤罪反対!とか言って。
ごめん、ちょっと考え事だよ。
ぼくはパパの手を舐めた。
「あんまり人と自分を比べない方がいいよ。
なーちゃん、またお外の子たちのこと
考えてたでしょ」
パパはテレビに視線を戻す。
よくわかるね、ってパパを見上げた。
「そりゃ、これでもなーちゃんのパパだから。
比べたってキリがないよ。
なーちゃんはなーちゃんなんだし」
パパはいつもそう言う。
ぼくはそれを聞くと、少し安心する。
じゃ、さ、パパ
背中ゴシゴシして。
いいよー
と言って、パパはぼくのお腹をゴシゴシしだした。
いやいや、そこじゃないんですけど。
ぼくは自分でできない事を考えるより
どうやってパパにリクエストを通すか
考えることにした。