ぼくの返事

「あーもー、邪魔邪魔邪魔邪魔!」

ん。
邪魔してるんです。

「なんで乗っかっちゃうのさ、あんぽんたん」

ぼくはママが広げたノートの上を陣取った。
これでもうママは動けない。

「なによ。なにかご不満でも?」

よくぞ聞いてくれました。
ママ、その後の話は?

ママは、へへへ、と苦笑いする。

「まだ、わかんないんだって。銀行次第」

ママは、肩をすくめる。

もうちょっと前から話してくれないと
ぼく、わからないんですけど。

顔を、ぷい、とそむける。

「いや、だってさ。あたしだって不可抗力だったと言うか
 不意をつかれた、と言うか」

珍しくママは口を尖らせる。

パパとママは青い瓦屋根と白い壁のお家を見に行って
そして結構気に入って
でもほんとにいいの?って疑心暗鬼になって
リホームしてあるけど、土台は古いんでしょ
とか
坂の途中だし
とか
色々気に入らないところを上げてみたけど
やっぱり気に行ってて
でも自分たちには高いんじゃ?とか
やってる内に夏休みが来て
休みの前日にママは飲みすぎて
強烈な二日酔いのまま、パパに引きずられるまま
ばぁちゃんの墓参りに行って
松本のパパのお父さんの墓参りに行って
そのまま西伊豆まで行って
ってしているときに不動産屋さんから返事を迫られて
ママは死にそうになりながら、決めました、って答えたらしい。

「で、資金繰りしてるんだから。邪魔しないでよ」

ママは、ぷーと頬を膨らます。

パパは?決めたの?

「パパちんは、もうオレわからない!
 ママちゃんよろしく!って」

あんにゃろー
ってママは目を細める。

で、ぼくには聞かないの?
鼻息を強く吐き出す。

ママは、へへへ、銀行の返事が来てからって思ってて
ってぼくの頭を撫でた。

「なーちゃんは、実物みてないけど、どうですか?」

ママがぼくの顔を覗きこむ。

ぼくは、
2人がいれば、どこでもいいです!
って答えた。


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