「みんなうちの子に?」
うん、そう。
だめかな。
「あたし的には大歓迎だけど、
外で暮らしてる子は、外のルールが身体に染みついてるからね。
ずっと中には居れないと思う。
逆になーちゃんが外に誘われても、外になじめないと思う。
どっちかをどっちかに合わせるのも、どうかな、って。
外の子が、中に入りたいです、って言うなら全然良いけどさ」
ママは、うーん、と唸る。
最近のママは唸ってばかり。
急がないで、様子みようよ、ってぼくを覗き込む。
ぼくも、うーん、って唸る。
実はぼくも不安なんだ。
もし、一緒に暮らすことになったら
仲良くやれるかな、って。
「ちーちゃんがあのまま大きくなってたら
仲良くやれてたと思うよ。
まぁ、まずは網戸越しに話してみなよ」
ママも複雑な顔をして、口を横に引く。
「パパちん張り切っちゃって、いっぱい釣ってきてるしね」
パパはウッドデッキに外のにゃんこが集まっていることを知ると
張り切って海釣り公園に行くようになった。
もちろん、ぼくの分もちゃんと取っておいて
お外のにゃんこにもあげてる。
「外の家族と中の家族、でいいんじゃない?」
って。
ママは、ミミちゃん、しまちゃん、シタちゃん、って彼らを呼び始めた。
ちなみに、しまちゃんはシマシマじゃないんだけど
しまちゃん、って感じじゃん、とか言って。
なんか、充分楽しそう。
そうだな。
ぼくも、ちょっとづつ、近づいて行ってみよう。