ぼくの季節感

「オレとなーちゃんは、ぼやっとしてるからね。
 ママについて行けば、大丈夫」

ねー、ってパパはぼくの頭を撫でる。

なに?!
ぼくとパパはぼやっとしてるのか?!

ぼくは目を見開いた。

ぼく、結構敏感だと思ってたんだけど。

「オレだってそう思ってたよ。
 食材の旬とか鮮度とか、よくわかってると思うし。
 でも家の中で季節感を出すって
 考えた事なかったもん。
 ママはスケジュールを立てるの好きだし。
 見てよ、もうアイス買っといてくれてるの。
 今日は暑いから嬉しいよね。
 暑いなぁって思ってから買いに行くのも
 嫌いじゃないけど」

ってパパはアイスをすくったスプーンを
口に入れる。

いる?って聞いてくれるけど
ぼくは断った。

「なーちゃんはお外に出ないからね。
 ママより遅れちゃうのはしょうがないよ。
 ママは早すぎるし。
 室内にいるとそんなに肌で感じれないもんね」

あ、だからママは部屋の中の季節を変えるのか。

パパはアイスをモグモグしながらつぶやいた。

季節感を自分から出す、かぁ。
ぼくはテーブルの下から這い出して
ソファに移動する。

ひんやりして、気持ちがいい。

「そうそう。
 ソファになーちゃんがいると、夏だな、って思うよね。
 寒い間は姿が見えないんだもん。
 コタツの中とか布団の中に入っちゃって」

ふぅん。
こういう季節感の出し方もあるのか。

ぼくはママと同じように片付けたり
入れ替えたりできないけど
ぼくはパパと同じように食べ物で季節を感じたりしないけど
ぼくなりのやり方ってあるんだな。


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