ぼくの今日は色んな人のおかげ

「やっぱり、なーちゃんは重たいな~」

苦しいんですけど、と言うパパを
ぼくは見下ろす。

「でも、重たくなるくらい、大きくなったんだね。
 なーちゃん、健康~」

パパはニコニコしながらぼくの頭を撫でた。

「なーちゃんは最初に入院したからね。
 獣医さんって、すごいね」

ぼくはママの手に落ちたあと、
病院に連れて行かれ、
点滴や輸血や目薬や
なんやかやされた、らしい。
よく覚えてないんだけど。

「でも、ママに言わせると
 個体の強さにもよるんじゃないか、って。
 なーちゃんは強い子だったんだね。
 1ヶ月くらいは猫ママと居れたんだろうね」

オレも12歳まで母親と居たんだよ、
今思うと、あんまり長い時間じゃなかったけど
最初の所は見てくれてたからな。
パパは、ポツリと言葉をこぼす。
もうすぐ、ママとなーちゃんと居る時間のほうが
長くなるけど、って。

でもさ、寿命って、誰が決めるんだろうね。
パパはぼくを持ち上げる。

「ちーちゃんはさ、ママに会わなかったらもっと早く
 死んでたと思うよ。
 オレ、実は沢山子猫が死んでいくの見てるの。
 最初の板前だったころ、いつも刺身の切れ端、
 お外のニャンコにあげてたんだけど
 小っちゃい子は2、3日すると、みーんな居なくなっちゃうんだよ。
 だから、今日はご飯食べれて良かったね、って。
 明日は居ないかもしれないな、って毎日思ってた」

実は、なーちゃんもそうなるんじゃないかと思ってたの。
へへへ、とパパは照れている。

ぼくも、実は、そう思うんだ、ってパパに言ってみた。
重たいだろうけど、やっぱりお腹に乗せて、とも言ってみる。

いいよ、とパパはもう一度ぼくをお腹に乗せる。

「オレも、実は、そう思ってるの。
 ママに会わなかったら、もっと早く死んでたかも、って。
 いつ死んでもいいや、って思ってたんだけど
 今は、もうちょっと生きていたいな、って思うんだよね。
 なーちゃんが重たい、って思うのも、悪くないな、って」

パパは目を閉じたような顔をして
うっすらと笑う。

ぼくは、ふ、と鼻から息を漏らす。
同感。
ぼくも、生きたいと思って生きてる訳じゃない。
死にたい、とも思っていないけど。
ただ、この毎日をもう少し続けていたい。

2人とも~
ご飯できたよ~

キッチンからママがぼくらを呼ぶ声がする。

ぼくはパパと一緒に
は~い
と返事をしながら
階段を駆け下りた。


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