ぼくが落っこちたベッドの隙間を埋めるために
ママは使っていないコタツ布団カバーを詰め込んだ。
「よし。これでもう落ちない」
ぼくも乗っかって確かめる。
うん。大丈夫。
けっこう居心地もいい。
ちょっと隠れる感じになるし。
このバリアフリーは、ぐるっとL字に貼られて
在庫毛布だらけになってる。
「今度の休みにちゃんと整備するけど
ひとまずはこれで」
ってママは頷いている。
「転ぶと骨折するかもしれないからね。
見た目が可愛いからわかりずらいけど
なーちゃん、お爺ちゃんだし。
って言うか、赤ちゃんがいる家みたいになっちゃったけど。
そう言えばなーちゃん、子猫の事によく無事だったわね」
子猫の時も、色々隙間に入ったけど
落っこちはしなかった。
機敏さが無くなったのか。
「まぁ、これで危険度は下がったから
安心して暮らしたまえ」
うん。
安心してウロウロします。