ばいばい、しまちゃん

ママは洗濯物を干しに二階に上がっている。
そのすきに、と言うように
窓の隙間からぼくを見かけたのか
しまちゃんは中に入ってきた。

しまちゃん、おはよう。
調子はどう?

ぼくが尋ねると、しまちゃんは珍しく
自分の鼻をぼくの鼻にちょんちょんとくっつけた。

挨拶を、しにきたんだ。
なーちゃんはぼくの初めての友達だったんだよ。
仲良くしてくれて、ありがとね。

しまちゃんは、ボロボロの毛並みでほほ笑んだ。

ぼくだって、しまちゃんが初めての友達だよ!
ぼくも負けじと言い返す。

えへへ、としまちゃんは照れたけど
ママの足音が聞こえてくると急いでぼくに言った。

これ以上は、ママさんに心配かけるから。
今までありがとう、ごちそうさまでした、って伝えて。
なーちゃん、ママさん、パパさん、
また、いつか、どこかで。

しまちゃんは、顔をキリっとさせ、音も無く窓から出て行った。

そしてこの日から、しまちゃんは来なくなった。
ずっと、ずっと、来なくなった。


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