「あら。今日はダッシュで2階に戻らないの?」
夕飯を食べながらママは振り向いてぼくに言った。
チャオチュールを食べ終わると2階に上がるぼくに
食い逃げだ!
と叫ぶのが日課だからね。
ママはあら?あら?と戸惑っている。
なんとなくね、声が聞こえる距離に居たかったんだよ。
じゃぁ膝に上がればいいじゃない、ってママが言っているのも聞こえる。
そうじゃなくて。
撫でてくれなくてもいいんだ。
同じ空間に居れれば。
そうなの?
そんな年頃なの?
とパパとママはコソコソ話している。
そうそう、そういう感じがいいな。
2人の声が聞こえて、ご飯の匂いがして。
それがぼくの日常。