窓の外に映る白黒。
ジャックだな。
ママはあれからジャックに会っていない。
どうやらジャックが避けてるみたい。
ぼくは窓辺に近づく。
ウッドデッキにお腹を付けて、くつろいでいる。
おはよう、ジャック。
最近は朝、遅いんだね。
レースのカーテン越しに声をかけた。
ジャックは少し、ドキッとして
なんだ、なー助か、と呟く。
ねぇ、ご飯ちゃんと食べてる?
ママがジャックに、って置いて行ってるけど。
ジャックはぷぃと横を向いた。
ママさんの気持ちは、よくわかってんだ。
でもよ、俺としては取り返しのつかない事しちまった気がしてよ。
もぞもぞとジャックが言い淀んでいる。
そんなの別に、ごめんなさい、って言えばいいじゃん。
ぼくはジャックに伝える。
ママ、そんなに怒ってない、って。
相手が怒ってる怒ってないじゃない。
俺の気持ちの問題よ。
ジャックはぼくを睨んだ。