ねぇママ。
ぼくはママより先に死んじゃうの?
ソファに座ってコタツに入るママを見上げる。
ママは瞳をきょろっと上に向け
口を一文字に結んだ。
よいしょ、と言ってぼくを抱き上げる。
「そればっかりは、わからないじゃない。
あたしが仕事の帰り、事故に合うかもしれなくってよ」
別に順番なんて決まってないし
って、ぼくにもコタツ布団をかける。
そうなの?
でもぼくよりママが先に死んじゃうのは
嫌だな。
「まぁ、ずるいこと言ってる。
どっちだってあたしも嫌よ。
でもいつかその日は来るからさ。
一緒にいれる時間をありがたいと思おうじゃないか」
ね?
ってママはぼくをぎゅっとした。
ぼくがママをぎゅっとするときは
しがみついているようになっちゃうんだけど
ママがぼくをぎゅっとすると
包まれたように感じる。
やっぱりぼくは
ママが先に死んじゃうのは嫌だなぁって思った。