大雪が降った。
ここに引っ越してきたばかりの時に降ったのと同じくらい。
実に4年ぶり、らしい。
ママがばぁちゃんにお願いしてたもんね。
で、4年、降らなかった。
今はもうパパも仕事をしてるから
ママが雪かきをするのかな、と思ったら
雪が積もるとパパの職場はクローズ、といって
お休みになった。
ママもお店を早く締めて、一緒に帰宅。
ふむ。
いいね、それ。
パパは雪かき好きだし。
「まだ早いから、ちょっと遊びに行って来よう」
ってパパはいそいそパチンコに向かった。
この上り坂、いくら四駆でも登れないよ
とママが止めても
大丈夫、スタッドレスだし、ってパパは聞かない。
そしてまんまと帰り道、坂の途中で立ち往生した。
うわぁーん
ママちゃん、スコップ持ってきて~
パパから連絡が入る。
「まったく、あほかいな。
なんのために早く帰ってきたんだか。
まぁ、でもパパちんは何事も
痛い目を見ないと駄目だからね」
ママはスコップを片手にパパの救出に向かった。
で、すぐに帰ってきた。
「あとうちまで100mくらいなんだけどねー
タイヤが横滑りしちゃって、無理無理。
雪が止んでからじゃないと、動かせないよ、あれ」
外は吹雪の様に横殴りの雪だった。
パパは近所の人に車を止めさせてもらう挨拶をし
悔しさをにじませて帰ってきた。
なんのためのスタッドレスだ!
なんのための四駆だ!
と叫んでいる。
いやいや、パパ。
こんなに積もっちゃ、さ。
いくらなんでも。
ってぼくはママと顔を見合わせる。
「それよりも、お外の子たちは何処にいるんだろうか」
ママは、なーちゃん、ちょっと、見て来てよ
ってぼくのお尻を押す。
いやいや、ママ。
ぼく、遭難しちゃう。