でもそれは好きでやっているんであって

夕飯を食べ終わったのを見計らって
ぼくはママの膝へ移動する。

よいしょ、よいしょ。

いやぁ、寒いね。

「もぉ、なーちゃん聞いてよ」

ママが鼻息も荒く、ぼくに話しかけてくる。
今日のママは土の匂いがして
きっとまた、花壇の話だろうな、って思う。

「これ、何だと思う?」

ん?
なにそれ。
沢山の段ボール。

「この中には」

「ビオラが詰まった鉢!」

ママは目を三角にする。

へぇ。よかったじゃない。
ママ、好きだし。

「好きだけど。
 でもこんなに沢山段ボールで届いて
 それも河岸から遠いところに届いて
 それを河岸まで運んで
 段ボール開けて
 3粒ずつ袋に入った肥料、開けて撒いて並べて
 段ボール片付けて運んで」

「中のチューリップの球根が芽を出すまで
 日向で管理しなくちゃいけなくて」

「河岸に日向なんて少ないから
 ここで育てて水運んで撒いて
 芽が出たら1階の店舗に二つずつ配って
 ってあたしがやるのよ!」

「うちの店、3階なのに!」

ママは、ノー!、と言って天井を仰ぐ。

でも、まぁ、それは、いつもの事じゃない。

なんだとこのやろぅ
好きでも、疲れるんだよぉ!
今は忙しい時期なんだよぉ!
と言って、ママはぼくの耳を引っ張る。

はいはい
八つ当たって良いですよ、
ってぼくは大人の対応を身に付けた。


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