でっかちゃんのしっぽ

きゃぁぁぁぁぁぁ

ママの悲鳴が聞こえた。

「で、でっかちゃんの、しっぽが!!」

「落ちてる!!」

えー!!

ぼくも急いでシンクに駆け上がった。

ほ、ほんとだ。
でっかちゃん。だ、大丈夫?

でっかちゃんは返事もなく、うつろな目をしている。

「うぅぅぅ。
 水槽の管理はパパちんの仕事だが
 やむなし、
 隔離措置をとります」

ママは慣れない手つきで
網を大きな水槽に入れ、でっかちゃんを救い上げた。

でっかちゃんと
ニワトリちゃんと
鯉ちゃんは
相変わらずすくすく大きくなって
最初に用意した水槽では
3匹で暮らせなくなって、
この春、倍くらいの大きな水槽に引っ越しをした。

ニワトリちゃんと鯉ちゃんは
相変わらずよく喋るけど
そういえば最近、
でっかちゃんは大人しくなった。

残りのしっぽも、なんだか、だらんとしている。

「なんの病気だろ。
 ニワトリちゃんと鯉ちゃんにも
 うつったかな。
 よし、金魚屋さんに聞いてこよう」

と言うと、ママは自転車を飛ばして
どこかに行き、お薬を持って帰ってきた。

「尾ぐされ病じゃないか、って。
 まずは水をきれいに保って、って。
 あと、塩を入れて、菌を殺して、って。
 最後は金魚の持つ生命力だ、って」

水が汚いなぁ、って思ってたのよね。
でも、パパちんが大丈夫だって言うから。
もう、信用してはいけない。

ママは、ぐっ、っと拳に力を込めた。

ちーちゃんの二の舞は踏まない。

そう聞こえた気がした。

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