相変わらずパパとママのお出かけは
夕方には帰ってくるんだけど
どこに行ってたのかと思ったら
つつじの丘だった。
「ツツジもあそこまで大きくなると凄い」
とかなんとか言って
相変わらずぼくに写真を見せる。
ほんとだ。
ずいぶん大きい。
パパの背位ある。
「そうなのよ。まるでアリスか千尋になったみたいに
間を通って行くの。
背丈まであると迷路だよね」
あ。ようやく咲いてる。
「そうなの。見ごろは来月だね。
でも来月には人がいっぱいだよ。
今見る良さもあると思うけど」
ほら、とママは写真を進める。
「見に来る人が増える前に
手入れをしてるんだよ。
ツツジの足元を刈り上げて、
中の落ち葉や雑草を片付けてる。
これをやって初めて、綺麗ね、ってなるんだよ。
花が咲いてても落ち葉だらけじゃダメなんだよね、公園って」
ほんとだ。
高さのある花壇に植えられたツツジたちは
みんな足元を奇麗にしてあった。
でもこれ、河岸でも、とママを見上げる。
「そうなの。やってるのよ」
うふふ、とママは笑っていた。