「あら、おはよう。
相変わらず早いわね」
カーテンが開いた。
オレは夜明け早々からこの時を待っている。
「お花に囲まれて、いいわね。
今度なーちゃんも連れてきてあげよう」
うふふ、とママさんは笑っている。
そんなことより、飯くれよー。
「鼻の傷も治ったし。
やっぱりジャックは若いわね。
その分危険も顧みないけど」
あんな傷、たいしたことねー。
ぜんぜん痛くなんかなかったし。
オレは喉元通れば熱さは忘れるタイプだ。
明日の事はわからない、昨日の事は覚えてない。
「はいはい。
パパちんタイプね。
ご自由に生きなさいよ」
ママさんはキッチンに引っ込んで
オレのご飯を用意している。
それを大人しく、待っている。