ウッドデッキの上で、黒い影が動いた。
ミミちゃん?
ぼくはママに、ミミちゃん来たみたい、って
伝える。
「あれ?階段上がってこないの?
今日は雨だから、こっちのほうがいいのかな?」
ママはいそいそとカリカリをトレーに持った。
ミミちゃ、
あれ?
黒と、白?
え?
でかっ!
トレーを運んできたママもひるんでいる。
だれなのあなた
と片言で言いながらそっとトレーを置いた。
いやぁ、雨なんで助かりますよ、奥さん。
最近、ここ、噂になってて、来てみたかったんですよね。
あ、カリカリですか。
私、できればウェットな奴のほうが良いんですけどね。
「えー?
今日はカリカリしかないのよ。
あんたずいぶん太ってるわね。
食べ過ぎなんじゃない?」
ママは腰に手を当てて、見下ろしている。
うーん、そうだな
白黒パンダちゃんだ!
ってママが叫ぶ。
パ、パンダ?
ママ、猫だよ。
白黒パンダちゃんは、口をへの字に曲げて
まぁ、いいですよ
今日はカリカリで。
腹が減っては戦はできぬ、ってね。
と言って、カリカリを食べだした。