「なんと。ミミちゃんが来るかと思ったら
違う子がきたね。
なんだろ、急に。
もうここで暮らして3年以上になるけど
こんなに来たことなかったのに」
ママはうーん、と唸った。
今まであたしがクーラーボックス洗ってたからな。
パパちんの洗いが甘かったからだな。
うんうん、とうなずいている。
ぼくは、お隣の工事が原因なんじゃないかと思う、って言ってみた。
ほら、草むらが無くなっちゃったでしょ?って。
「うむ。一理ある。
実は近所で古い家壊して工事してるところが
けっこうあるの。
みんな、大移動してるのかも」
窓の外で黒い影が動いた。
ミミちゃん?
ぼくは急いで窓辺へ向かう。
ミミ、ちゃ?
え?
だれ?
ママも近づいて、レースのカーテンを開ける。
え?
え?
真っ黒い。
べ。
えぇ!
舌、出っぱなしですけど!