黒い影が庭を横切る。
ん?
シタちゃんかな?
でも真っ黒なような。
シタちゃんは今、茶色と黒の真っ最中だ。
ウッドデッキの方には乗らず
ママが畑にしている方に移動している。
おかしいな。
ミミちゃん?
えぇと、君、だれ?
ぼくが声をかけるとママも気が付いた。
「あれ?なーちゃん、誰とおしゃべりしてるの?」
と言うとママは、はっ、っと固まった。
なーちゃん、その子、
ママに気が付いた、真っ黒い子は足早に去っていく。
「お腹が、大きいじゃない!!」
ママはキラキラした目でぼくに寄ってきた。
え!お腹が大きかったの?!
ママは
やった!もしかするとうちで産むかもしれないぞ!
と喜んでいる。
えぇぇ!
そ、それは、どう言う事?!