「ずいぶんうるさかったんだって?」
ママが半笑いでぼくを見る。
そんなことないけど。
ぼくはしらばっくれる。
「パパちんが困ってたでしょ。
一泊くらいあたしが居なくても二人で仲良くやりなさいよ」
ママは先日、京都に出張に出ていた。
別にどってことない、ってぼくだって思ってたよ。
でもさ。やっぱりさ。
ぼくは洗濯物の陰からママを見る。
「パパちんだって、ご飯よそってくれたり
おトイレ片付けてくれたりしたでしょ?」
そうだけど。でもさ。
ぼくはグズグズとママを見上げる。
「まぁそう言ってもらえるのも嬉しいからね。
なるべく外泊は控えますよ」
来月の話は来月するとしよう
うんうん。
ママは何やらうなずいている。
なんだろう。嫌な予感。
また何処かに行くのかな。
ぼくは小さくため息をついた。