「骨が癒着するとはそこに負担があるというのも
要因の一つだと思うのよ。
生まれた時からくっついていたわけじゃないんだから」
ママがぶつぶつ言っている。
あれかな。
ぼくの尻尾と腰の骨の話。
痛み止めの注射をして、もう痛みはない。
でもそれは1日限りだと言って今日は錠剤をチャオチュールにまぜられた。
気が付かずに飲めちゃって良かったけど。
「なーちゃん、しっぽバンバンやりすぎじゃない?
しっぽ動かすの止めれる?」
それは、無理だと思う。
残念だけど、とママの提案を断る。
だって動かそうと思って動かしているわけじゃない。
ママが帰ってくればピンと立つし
パパがしつこければ大きく振りまわす。
これはぼくの気持ちと連動してて勝手に動くものだった。
ママだって面白いなと思ったら笑うでしょ?
皺になるから笑うの止めよう、とか無理だと思う。
「うーん、本能か。
そこを止めるのは永遠の命を求めるようなものなのか」
ママは唸っている。
大丈夫だよ。
痛い時があったら大人しくしてるし
ぼく、死ぬまで生きてるから。
ママは、まったく、ばぁちゃんと同じこと言って、と
ちょっと笑った。