それぞれの道

ねぇパパ。
しまちゃんはもう、帰って来ないのかな。

ぼくはママのベットに座り、少し下のマットに横になっているパパに聞いた。
パパは床に近い方が、暑い時に転がれるからこの配置が好きみたい。
パパは下からぼくを見上げている。

「帰ってこないと思うよ。
 オレがしまちゃんでもそうすると思うし。
 寂しいかもしれないけど、それが男だもん」

パパは優しくぼくにほほ笑む。

「なーちゃんは子供の頃に見つけたからね。
 未成年の保護、だし。
 しまちゃんは大人だったじゃん。
 大人の男にあれこれ世話を焼くのは
 奥さんだけなの」

だからオレはママちゃんに甘えていいの
ってパパは瞳をキョロリと動かした。

「なーちゃんも、奥さん欲しい?」

パパはぼくの耳を引っ張る。

うーん。
欲しいような欲しくないような。

「まぁ、オレとママちゃんはなーちゃんより
 長く生きると思うから、居なくてもいいかもね。
 オレとママちゃんがなーちゃんの奥さんだ」

あはは、って笑ってる。

「しまちゃんは自分の生き方を全うしただけなんだよ。
 出会いがあって別れもあって、いいじゃん。
 またどこかで会えたらいいな、って思いながら
 生きていけばいいんだよ」

ふ、とぼくの鼻から息が漏れた。

そうだね。
もしまた訪ねて来てくれたら、ぼくも笑って
久しぶり!元気だった?
って声をかけてみよう。

それまでぼくはぼくの毎日を生きよう。
そう思った。


猫との暮らしランキング

関連記事

  1. ぼくはパパ似らしい

  2. 見守り隊

  3. 縄張りを争う音

  4. ぼくの季節感

  5. 付き合い方のコツ

  6. ちび子、登場。

最近の投稿

アーカイブ

LINEスタンプ販売中!


LINEスタンプ(リンク)


LINEスタンプ(リンク)