なー助
なー助
トマトの花壇で白黒の影が動いた。
ん?
ジャック?
ぼくは急いで窓に向かう。
よぉ。
あの鉢、まだ置いてあるんだけど
ママさん、捨てないのかな。
ジャックがそっとぼくを伺う。
あぁ。
ママも考えてるみたい。
ジャックに罪をかぶせるのは悪い、って。
ジャックはつい、っと顔を横に向けた。
あれはもう復活しねーから
俺のせいにすればいいのに、ってつぶやいた。
それに、あれがなくなるとここに入って来やすいんだよな。
へへ、ってジャックは恥ずかしそうに笑う。
ここからだと中が良く見えるから
面白いんだ、って。
もぅ。だからママはここにトマトを植えてるのに。
そんなにグイグイ来ちゃ、ダメだよ。
ぼくは目を丸くする。
ちぇっ。なー助の奴、つれねぇなぁ。
でも俺はひるまないぜ!
ぐいぐい行くぜ!
って言いながら走り去った。