その日の朝、しまちゃんはずいぶん遅くにやってきて、
つまりはみんなにご飯を食べられちゃった後にやってきて、
ちょっとがっかりしているところだった。
「大丈夫。しまちゃんの分はちゃんとあるのだよ」
ママは新たにカリカリを追加する。
そして、ぎょっとした。
「ちょっと、しまちゃん、具合悪いの?」
ぼくも、ぎょっとしたんだけど
血が出ている様子はない。
うううん、元気だよ。
この前、白黒パンダちゃんと鉢合わせちゃって
ぼくが驚きすぎたのがいけないんだ。
飛び上がりすぎちゃって、頭、ぶつけたの。
照れたようにしまちゃんはほほ笑む。
でも尻尾はずっと下がったままだ。
ママにはわからないと思うけど
尻尾がずっと下がったまま、って落ち込んでる時なんだよ。
もう、戦意喪失、というか。
しまちゃん、おうち、入る?
とママが尋ねると、しまちゃんはスッと身体を引き、
大丈夫だよ、ママさん、心配しないで
ってまたほほ笑んだ。