「まったく、あんにゃろー」
ママがプンプンしながらテッシュで足を拭いている。
どうしたの、ママ。
なんだか血が出ているみたい。
「ジャックがご飯食べてるときに
トラちゃんが来て
喧嘩にならないように離して
ご飯置きに行ったらさ
ジャックが焼きもち焼いて
足にタックルしてきて
牙が膝に刺さったのよ」
もー、とママは消毒液を膝に塗っている。
えー!
大丈夫?
ぼくもパパに噛みついて
血を噴出させたことはあるけど
それはパパがしつこかったせいで
ママはジャックとトラちゃんに
ご飯を上げてたのに?と驚く。
「穴が空いて
さらには打ち身だわ。
あたし仕事で膝使うのに」
うー、とママは眉間に皺を寄せる。
そうだ。ママは整体師。
お客さんの腿の裏を膝で上がったりする。
「広めの圧迫に最適な膝を!」
と叫びながら絆創膏を張っている。
でも、どうしたんだろう。
ジャックは声はでかいけど
手を出す方じゃないのに。