土曜日の朝は、一応商店街の通りのお掃除の日、ってなってる。
ママの中でだけかもしれないけど。
「初代会長が言ってたんだもん。
月1だったみたいだけど、昔はやってたんだよ、って。
確かに10年~15年くらい前、見たことがある。
でも昔のメンバーが居なくなって
いつの間にか消えてた。
私も昔からいる人になってきたから
引継ごうかなと思う」
とかなんとか言って
今年度からママの中で始まっている。
いや、これまでもやってたけど
土曜を中心にやり始めた、って感じか。
植栽帯の改造が出来て
ユンケルばっかり落ちていた場所は無くなったらしい。
低木がゴミを捨てやすくする、ってママは言ってた。
それを地被類に変えちゃった。
でもね、タバコが増えたんだよ、ってママは続ける。
「これなんかさ、物語を感じるよね。
同じ銘柄のタバコが
同じ場所に沢山落ちてる。
長い時間ここにいたんだろうな、って。
どうしたんだろう、
待ち合わせの相手が来なかったのかな、
いつまで待ったのかな、
暑かっただろうな、
でもその場を離れなかったんだな、とか」
うふふ、とママは笑っている。
よくまぁ、ゴミから物語を考えるよ。
でもタバコが落ちてるって事は
憩いの場になってるってことだ。
もうちょっとだね、ママ。