えー!動いてたの?!

「大変大変。二次面接に来てください、って」

は?
なんの?

ぼくとママは顔を見合わせる。

「ほら、ゴルフ場」

え?
面接に行ってきたの?

ぼくとママはパパを見つめる。

ついさっきパパのスマホが鳴って
パパは2階で誰かと話をして
どたどたと階段を下りて来た。

「行ってきてたの」
パパは、へへへ、と恥ずかしそうに笑う。

なになになになに
ちょっと
もう一度求人表見せてよ
ってママが珍しく慌てている。

はい、と出された用紙を、ママは食い入るように見た。

「なにここ、会社じゃない。
 パパちん、会社員になるの??」

パパは、へへへ、わかんないけど、そうみたい
ってニコニコしてる。

「なにこれ、週休2日だし
 有給もあるし
 残業代もあるじゃない。
 調理部の和食?
 なになになになに
 勤務時間6時半から15時半?
 車通勤可?
 え?
 履歴書も通って、1次面接も通ったの?」

ママは、えー!って声を上げる。
ぼくも一緒に、えー!って声を上げる。

それはそのまま欠伸に変わった。
なんだ。パパ、ちゃんと活動してたのか。

いやまだ、決まったわけじゃないし
ってパパは照れてる。

「いや、面接まで行けば、パパ通っちゃうよ。
 決まりだ、これ。
 採用決定したら、次の日から出社します、って言いなよ。
 たぶん職歴見られて、期待されると思うから、
 でもずいぶん休んじゃって、腕、なまってるよ。
 採用日前のお給料はいらないんで、早く慣れるために来たい、って
 やる気を見せないと
 なんだ、あいつ、たいしたことねーな、ってなっちゃうぞ」

パパは、うん、決まったら言ってみるね、ってニコニコしてる。
ゴルフが社員割引きでできそうなんだよな、ってニコニコしてる。

ぼくとママが思い浮かべる就職と
パパが思う就職は、ちょっとずれてるんだよなって思う。
それでも、履歴書を1人で書けるようになって
それを持って話をしてこれるようになって
ぼくもママも、そのことに驚いた。


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