だんだん夜が短くなってきた気がする。
「お店を出る時に真っ暗じゃないって
なんだかホッとするのよね」
家に着くころには真っ暗なんだけど、
と言ってママは笑っている。
「家を出るときに真っ暗じゃないって
やっぱりいいよね」
朝日がまぶしいけど、
と言ってパパも笑っている。
同じ毎日のようでも
刻々と何かが変化しているみたい。
トラちゃんも来なくなった。
ミミちゃんも来なくなった。
ずっと同じでいるって難しいよね。
世の中は変わっていくんだもの。
それでも同じ毎日を続けるって
凄い事なんだと思う。
ぼくは自分を、けっこうすごいんじゃないか、と思っている。
病気もしない、怪我もしない。
いつも、いってらっしゃいって言って
おかえりって言う。
二人は、そうだよ、なーちゃんすごい!って笑ってる。