いつまでも待ってるから

ママはコツコツと、しまちゃんが慣れるのを待っている。

ちょっとづつ、ご飯の入ったトレーを内側に内側に、引っ張って。

身体の半分を外に出しながらご飯を食べていたしまちゃんは
三分の二まで、入って来れるようになって。

ついには丸々は入れるようになった。

ママは小さくガッツポーズを取る。

「ミミちゃんはあっちこち入れるからいいんだけど
 しまちゃんも安心してご飯食べられる場所が
 あって欲しいのよ」

しまちゃん
どう?

ぼくは遠くから声をかけた。

あ、あの
ごちそうさまです。
安心して食べているんですが
もう、習性と言うか
ごめんなさい、きょろきょろしてしまって
ご、ごちそうさまでした

食べ終わると、しまちゃんは急いで家を出る。

ママとぼくは顔を見合わせて、ため息をついた。

「これまでに、何があったんだろうね。
 白黒パンダちゃんとも仲良くやれそうにはないし。
 猫が嫌いな人もいるから
 水かけられたり 
 大きな音で追いやられたりしたかな。
 しまちゃん、食べるのへたくそじゃない。
 周り散らかして。
 あれ、歯がないんじゃないかな」

うーん、とママは唸る。

ぼくが想像もできないようなことが、あったのかもしれない。
ぼくは黙ってママを見上げる。

「しまちゃん次第だよ。
 まぁ、今はこうして、まず慣れるところからいこう」

ね、ってママはぼくを抱き上げた。


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