いつかの桜まつり

「どう?またアンニュイになるの?」

ママがぼくのお尻を突っつく。

うーん。
そうでもない。

なんか、ぼく、スッキリしてるんだよね。

「おや。心境の変化ですな。
 またいつもみたいに
 ぼくはなにもしてない
 とか
 なにかできることがあったんじゃ
 とか
 ぶつぶつ始まるのかと思った」

ママはにやにやしながらぼくを見ている。

うーん。
今回はちょっと違うんだよね。
なんでだろう。

ママはお茶を持ってコタツに入ってくる。
一辺はぼくが占領してるから
直角になるもう一辺にもぞもぞと腰を入れた。

「ほらさ、最後、ちゃんと見送れたでしょ?
 これって、大事だと思うんだ。
 死ぬって怖い事でも悪い事でもないじゃん。
 ましてや嫌がることでもないし。
 お互い、挨拶して、顔見て別れられるっていいじゃない。
 それから逃げると、色々言い訳したくなったり
 モヤモヤするんだよ。
 ばぁちゃんと、ちーちゃんと、でっかちゃんと
 あんただいぶ見送ってきてるんだから」

ぼくは尻尾を振った。
嬉しかった、とかそういうんじゃないんだけど
なんかモジモジして、気恥ずかしい気がしたんだ。

あはは
なーちゃん、照れてる
ってママは笑う。

「よくやったぞ。
 きっとでっかちゃんはまたいつか、帰って来るね」

ママはぼくのお尻を撫でた。

またパパと桜まつり行って、見つけてきてあげよう
でっかちゃん、って呼んだら返事してくれると良いな
ってママは目を細めた。


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